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怪譚・展に行ってきました
2022/11/17
2022年11月17日に、私もとても馴染みの深い東京倶楽部水道橋店にて、Team Liaisonが主催するライブペインティングと即興演奏による「怪譚・展」に行ってきました。
代表の佐藤伸輝さんは作曲家・ピアニストの方ですが、今回はなんとライブペインティングで墨汁を使ったパフォーマンスを行い、墨汁を用いて、人の顔や、自然の背景に置かれた無機物などをゾッとするグロテスクな表現で行いました。計8つの作品はそれぞれ多彩で、一つの絵画として完成されたものもあれば、絵を描くという行為が動的な物語を作り出すものであったりと、さまざまなコンセプトに基づいた創造力に驚かされました。
フルートの菊地奏絵さんは、本日演奏を聴くのは2度目だったのですが、フルート一本でも10分を超える即興を全く飽きさせることのない、幅広い表現力と構成力が見事でした。アンサンブルの中でも、様々な楽器とペインティングの中での統率する役割を果たしていました。
サックスの立畠花音さんは、サックスという楽器を即興の中で見事に際立たせ、圧倒的なダイナミクスの中で、さまざまなモチーフを提供し、アンサンブル全体に新たな音楽をもたらすきっかけを作るなど、主旋律として素晴らしい演奏でした。
ホルンの高嶋優さんは、全体の調和を担っているようでした。木管五重奏にホルンが使われるのは調和しづらい木管楽器のバランスを担うため、と言われることがありますが、即興の中でも、高嶋さんがいることによって調和が取られていたように思います。さらに、ダンスでも登場し、即興的なリズムを乗りこなし、新鮮な驚きで素晴らしい体験をすることができました。
ピアノの小池晴さんは、即興を先導する、あるいはムードメーカのようなところがあり、ライブペインティングの佐藤さんにアイディアを渡し続けていました。特に描いた絵を変形させ、塗りつぶしていく、といった一連の物語は、小池さんが大きな力を持っていたように思います。残念ながら小池さんとは直接話すことができませんでしたが、また機会があればぜひ伺いたいところです。
そして、もう一人のピアノの塩沢真輝さんは、オルガニストの方で、繊細な音色の変化から、力強いリズムまでを乗りこなし、また、管楽器との方達との掛け合いも見事でした。小池さんと塩沢さんは連弾でも演奏をしていましたが、モダンな響きの和声を使い、スタイルを崩さずに即興を続けていく手腕は見事でした。
前半1時間、後半1時間と、なかなか重量級の即興演奏会でしたが、全く飽きない時間を過ごすことができました。即興演奏をするのは大好きですが、聴くというのも常に新しい発見があり、面白いです。「あ!自分にはこの発想はなかった!」と必ず思えるのが、即興演奏を聴く醍醐味でもありますね。
私自身も即興演奏の活動を続けながら、より一層即興の界隈が盛り上がって、芸術の一つの分野として発展させる力になりたいと強く思いました。
改めて6人の出演者の方々、企画に関わったスタッフの方々に、敬意を表すとともに、感謝いたします。